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地中海?そこはこの世の楽園などでは無く・・・;アルベール・カミュ

2005・7筆記

神々がシーシュポスに課した刑罰は、
休みなく岩をころがして、
ある山の頂まで運びあげるというものだったが、
ひとたび山頂にまで達すると、
岩はそれ自体の重さでいつもころがり落ちてしまうのであった。
無益で希望のない労働ほど怖しい懲罰はないと神々が考えたのは、
確かにいくらかはもっともなことであった。
  アルベール・カミュ『シーシュポスの神話』拠り

 アルベール・カミュは太陽の楽園、地中海の畔、アルジェリアに生を得た。そんな大地の恵みに育まれて成長したカミュが唱えた深遠なる境地とは、この世の意識概念に抗する、不条理という名の概念だった。

 『シーシュポスの神話』このギリシャ神話に興を成す文章群は、20代の私のひとつの拠り所か!?、この世の夢など儚い、ゆえに現実ほど自身の心根を知る手かがりに成り得るものはない。苦難という名の頂のてっぺんに大岩を持ち上げるシーシュポス、なんとか高所まで持ち運んだかと思えば、ガラガラと再び転がり落ちてゆく、大岩。人生に準えて、発表当時の文学青年達は、それを辛苦の文学とも評した。だが、辛苦?、実はこの先にこそ、カミュが訴えたかった真実が、潜んでいると私は見る。

 『ペスト』『転落』『誤解』、カミュは現代に生きる私達に、人生の崇高なる意義を問い質してくる。そこから逃げれば楽だが、この楽とは安楽の楽ではなく、死楽の楽か!?、あまりにも有名な『異邦人』、太陽が眩しかったから、人を殺したと語る、かの主人公に、現代社会の暗部を見るのは果たして私だけだろうか!?私だけではあるまい。

 私はカミュの醸し出す作品群が好きだ。何故だろう?、そこにはこの意識の暗部を抉るから。淡々と生きてゆきたくない、私の心根に響くから。人生は暗い洞窟の中と似たり。それゆえに救いの灯明を見出そうとひとは恒にもがき流離(さすら)う。

 ……言葉は、必要です。何故なら、灯明が見えた時、「おーい」と叫ばなければならないから。

 ☆リンク元がリンク切れの際はご容赦ください。

 アルベール・カミュ - Wikipedia 
 アルベール・カミュ「名句・名言の裏側は」
 アルベール・カミュ『異邦人』
  Albert Camus
 カミュ『誤解』 - PLAYNOTE
  「異邦人」(アルベール・カミュ)
 ブッシュの悪魔テロリストと『正義の人々』
 新潮文庫(Shincho bunko)
 ノーベル文学賞 - アルベール・カミュ
 アルベール・カミュの死

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