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いまとなっては忘れようにも忘れられようか・我が父が愛した童話作家;椋鳩十 

 父が座した胡坐に腰掛けて父の朗読する童話に聞き入っていた、幼かった頃の私。最早、遠い遠い過去のようで、ただ想い出すのは酒さえ飲まなければ優しかった父の面影。時は過ぎ、入院加療中の父がまだ多少元気だった頃、父にせがまれてそんな父の片腕を抱きながら、入館した椋鳩十文学記念館。ほんに寒い日のことで南国だというのに、霙が降っていたような。なのになんだか頑強に「行くぞ」とせがんだ父。「俺は一度は生涯、ここに来たかったんだよ」と確か父は言っておりましたっけ。そんな父も、もうこの世に居ない。出来ることならば、父とふたり、元気にきっと快復した父と今度は図書館の方にも尋ねてみたかった。もう、それは叶わない。椋鳩十の童話を手にする度に、父が私に人として何が大切なことか、知らしめようとした当時の心根が感じ取れて、今はただただ今在るは、あの父のお陰かと。愛情表現が下手で怒ってばかり居た風情の父が、私に示した微かな人としての情。父の優しさがいまはただただ胸に滲みております。……我が、実父、死して2年。今日は全く個人的感慨で誠に申し訳、ありません。   
                             2008・4筆記

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  想・まっく様拠り「踏み切りの傍に咲く」

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