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霞(かすみ)に煙る森鴎外の碑;森鴎外

 2005・11筆記「我が覚書より」

 10代の頃であろうか、森鴎外の墓に参じたことがある。有名な三鷹の禅林寺。かの太宰の墓もその横にあって、僕はきっと行くまいと肝に銘じていたというのに、当時の知り合い、先輩の異性にせがまれて否応なく参じる羽目になった。幼い時分からどこか臆病なところも多分にあった僕としては、そういった高名な作家の墓に参じることは何かしら畏怖感があるというか怖ろしさが先に立ってしまう為、それまでにも幾度か誘われたがやんわりとお断りしてきた。毎年、7月9日には鴎外忌が催されるので、或いはその年のその日であったのだろうとは想うのですが、小雨が降っていたような……。とにかく記憶にあるその墓は霧のような靄に煙っており、判然としない。実際、この寺で何人の文学愛好家がその命を落としているのかな?、そんな想いに至ってしまったとき、僕はブルッと身震いしたことを想いだす。思想に殉じることは、けだし崇高だとは想うけれど、よくぞこの僕もそういった行動に出なかったものだなという、ある種の感慨、懺悔・・・。天邪鬼でいろいろなものに興味を抱く、翻って思想的に甘いと自他ともに従えられた、僕らしい繰言みたいなものなのでしょうけれど、いまはその思想に殉じた者達の魂がきっと浮遊せず、求めたひとつところに落ち着いていることを切に願う。かつての文学者達が「死というもの」に対してもいかに真摯に見据えていたことか、僕はそういうことを想うとき、自身の今にけっして満足してはならぬという想いに満たされる。まだまだ僕は歩みを止めるわけにはいかないのです。そういう想いがまた沸々と沸きいずる。

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